【進撃の巨人/リヴァイ生誕祭】To my darling
第2章 Happy moment in holy night.
「リヴァイさん、改めてお誕生日おめでとうございます」
「…祝ってもらうような年でもねぇんだがな」
彼がそんなことを言うのは照れ隠しなのだと、リアは知っている。
リアより6歳も年上であるリヴァイだけれど、こういうところが可愛いと思ってしまう。
…もちろん、それ以上の尊敬もしているけれど。
「今日はリヴァイさんと会えたことへの感謝も込めてます。来年は、もし私の傍にいてくれるのなら、そのことへの感謝を込めます」
「…ずっと傍にいてやる。だから、お前の誕生日には同じことを感謝しよう」
「本当ですか?嬉しいです」
少し笑い合って、やがてまた静寂が広がる。
しかし今度は先ほどの心地よいだけの静寂ではなくて、どこか熱を孕んでいるような、そんな静寂だった。
リアを見つめるリヴァイの瞳は、どこまでも優しさと愛おしさに溢れていて。
きっと自分も同じなのだろうとリアは思う。
そして、またもや沈黙を破ったのはリヴァイで、愛おしそうにそっとリアの頬を手で触れた。
「リア…愛してる」
「私も愛しています、リヴァイさん…」
時代が変わろうとも変わらぬ愛に胸が熱くなる。
想い、想われることの何と幸福なことか。
近付く距離に気付き、リアは目を閉じた。
ふわりと重なっただけの唇は、しかしきっと
どんなキスよりも熱い。
そんな二人を、月の光が優しく見守っていた――
2019.12.25 『To my darling』~Fin~