【進撃の巨人/リヴァイ生誕祭】To my darling
第2章 Happy moment in holy night.
そしてやって来たクリスマス。
今日は大学の講義が午前中しかなかったため、お昼からバイトに行っていた。
「ありがとうございました!またお越しくださいませ」
「ごちそうさま。またリアちゃんのピアノ聞きに来るね」
「はい、お待ちしております」
常連さんはリアがピアノを弾くことを知っているから、時々こうして言ってくれる人もいる。
プロを目指せるほどの実力ではないけれど、一人でも多く笑顔になってくれたら嬉しい。
そうして特に問題が起きることなく最後のお客様を送り出し、扉の看板をcloseに変えた。
「ふー、今年も乗り切ったね!みんなお疲れ様」
「チーフこそお疲れ様です」
「ありがとうね」
お互いに労い合う。その中でリアは急いで帰る準備を始めた。
今日ばかりは好きな掃除もしない。
クリスマスだけ早くしてもらっているシフトも、もう4年目となれば誰も何も聞かない。
初めは彼氏だとか色々聞かれて困ったが、否定しているうちに他の大事な用事だと理解してくれたみたいだった。
みんなに挨拶をしてからお店を出ると、ある教会へと向かう。
リアは宗教とは全く関係ないが、条件が一致したのがそこだった。
教会と言っても今は使っていないらしい。
親友の父がたまたまその建物の管理をしていて、ピアノを弾きたいというと鍵を貸してくれた。
以来、暇がある時はその教会でピアノを弾いている。