【進撃の巨人/リヴァイ生誕祭】To my darling
第2章 Happy moment in holy night.
リヴァイがこの曲を弾いているのがリアだと確信した理由。それは単純な話だ。
あの曲を知っているのは、今も昔もリヴァイとリアの二人だけなのだから。
リアの母が鼻歌を歌っていたというその曲は、良く歌う程気に入っていたのにもかかわらず、その母はリアが聞いてもその曲について一切の詳細を話さなかったという。
たった一言、この曲は私が忘れてしまったら誰も知る人がいなくなっちゃうから、とだけ呟いて。
壁が壊された日にリアの母は犠牲となっていたため、もう永遠に詳細が分からないといってもいいだろう。
そしてリアとリヴァイが恋仲になってから、リヴァイの誕生日にだけ、リアがリヴァイのためにその曲を弾いてくれるようになった。
兵団という同じ組織に属している以上、二人きりの何か、と言うのは実は作りにくい。
そんな中でリアはこの曲を二人きりの秘密にしよう、といったのだった。
本当の意味で二人しか知らない秘密。
更にはその秘密でリヴァイの誕生日を祝ってくれるというのだから、嬉しくないはずがない。
それに嬉しそうに笑うリアを見るのも悪くない。
だから今その曲を弾いている人がいるのなら、それはリア以外ありえないのだ。
リヴァイは逸る心を抑え、黙々と探していた。