第4章 甘い甘い金平糖
時間は戻り、昼間の安土城内。
秀吉の号令の元、賊の侵入経路を割り出そうと皆が躍起になっていた。
「なるほど、そちらも違いましたか。では、違う方向から・・・」
三成が報告を受けながら、城内の図面を見つめ指示を出す。隣で光秀と家康がそれを眺め話し出す。
「佐助殿の使う経路とは違うのか?」
「あの忍びまた来てるんですか?」
「佐助殿はいつも新しい経路を開拓されるので、私も勉強になります。が、今回は佐助殿が通った合図の撒きびしが置かれておりませんし、侵入された箇所も不明のままです」
「ならば内部の犯行か」
「内部・・・」
「確かにその筋が濃くなりますね」
三人の視線が絡み合い、そしてまた図面の上に落とされた。
一方、一人動いていた政宗は厨の中にいた。そこは催事の時に使用される厨で、普段はあまり人も来ない場所だった。
「なるほどなぁ」
厨の中を見渡し、にやりと笑いながら政宗ほそう呟いた。