第4章 甘い甘い金平糖
その頃、春日山では.....
「....で、それが金平糖かい?」
「はい。彼女が作り方を知っていたので」
「へぇ....。何か、お前が持ってる撒きびしみたいな形だな」
幸村が放った何気ない一言で、佐助の眼鏡が煌めき、ハートに火が着いた。
「幸村、よく気がついた。これは、核となる米粉の粒に砂糖水を絡めながら絶えず炒り続けて...」
珍品のちょっとしたお披露目のつもりが、佐助の撒きびし愛をコンコンと披露する構図になっていき、結局、場がお開きになったのは、夜半を過ぎた頃だった。