第7章 スキンシップと、年下と指先と
掃除の時に何度か見ているサスケの部屋を訪れる。
広さはそこまでないものの、綺麗に整頓されているため窮屈さは感じない。
二人で部屋の真ん中に座る。
椅子が二つなかったので、カーペットの上に直に座った。
なんとなく、ベットに腰掛けるのは二人とも躊躇したのだった。
「…俺は、俺からは触らない。
エリが無理をしない程度に、好きに触ればいい」
それだけ言ってサスケは目を瞑ってしまった。
もう、準備は出来たから始めてくれ。という合図なのだろうが。
これは…予想以上に緊張する!!
『……で、では、失礼します』
待って。待て…
この、綺麗な汚れない顔に、本当に私なんかが触れてもいいのか?
伸ばしかけた手が、少し空を漂って やがて下に落ちる。
「…どうした?」
いつまでたっても事が運ばないのを不思議に思ったのだろう。サスケが口を開いた。
『私…いま、なんとなく分かっちゃった。
自分が、こうなった理由』
「…言え」
強気なサスケらしい物言いに、なぜか安心して話を始める。
『…ん。私ね、あんな事があったから 男性恐怖症になって、男の人に触れられるのが怖いんだと思ってた。
もちろん、それもあるんだと思う。
でも、それ以上に…
自分が汚い物に感じられて…。
こんな汚れた私自身に…誰にも触れて欲しく、ない。触れちゃいけない。
って、ずっと、頭のどっかで思ってたみたい。
今、綺麗なサスケ君に触ろうとして、気が付いたよ…」