第6章 これからの事と、大人と子供と
「笑うな」
『!』
自らを嘲笑する私に、サスケがピシャリと言い放った。
「普段あまり笑わないくせに。こんな時に笑うな」
『…うん、ごめん』
サスケは、言い方こそキツイ事が多いが。その言葉の裏にはいつも優しさがある。
「…殺してやる」
唐突に放たれた言葉に驚き、顔を上げると。サスケの瞳に、見た事もない色が灯っていた。
赤い、紅い、見ていると不安になる色。
「俺がアンタの世界に行って、全員殺す!!その件に関わった人間全部。
特にエリを直接傷付けた奴は…
この世の苦しみ全部与えてから、生まれてきた事を後悔するぐらい
痛めつけてから、殺す…!」
『…サス』
「ガキなんだよねぇ、どうも」
ずっと黙っていたカカシが、自らの手の平をサスケの顔面にべしゃりと押し付けた。
「っな!……ガキで、悪かったな」やめろ!
サスケは、それにより落ち着きを取り戻した様子で。瞳の色も普段通りの物だった。
「エリが、誰かを殺して欲しいから 俺達にこの話をしてくれたと思う?
もう少し大人になりなさい。
奪う事ばかりを考えちゃいけない」
カカシは、にっこりと笑って私を見つめる。
あぁ…なんて、人の心を和ませる笑顔なのだろう。
「とりあえず、話してくれてありがとう。
辛かったね、とか。悲しかったね。とか
月並みで薄っぺらい言葉を並べるのは簡単だけどね」