第6章 これからの事と、大人と子供と
『私の捜索をする為に、顔写真やある程度の情報はメディアで流れていました。
世間の目は、私を“そういう目”で捉え。
追い続けました。
街のどこにいても、私の事を噂されているのではないかと錯覚しました。
というか、錯覚ではなかったんですよね。
実際に、見ず知らずの人間に慰められたり。逆に、心無い言葉を吐かれた事もありましたし。
もしかすると両親の言う通り家から出ないというのが正解だったのかも。
どちらにせよ、私の心は完全に折れました。
ちなみに犯人の社長息子は…結局、父親のお金の力でもう釈放されているらしいです。
そして、整形で顔を変えて悠々自適な生活を送っていると。噂で聞きました。
会社の方も 社長である父親のコネクションが強力で、倒産ほどの大打撃は受けなくて。
まぁ何か変わった事と言えば、少し株価が下がったくらいでしょうか。
いや…そんな事はどうでもいいんですけど。
あと、これは元彼に頭を撫でられそうになった時に発覚したんですが…
私、男性に触れられる事に対して拒否反応が出てしまうんです。
具体的には、震えや動悸と目眩。我を失って声を発してしまったり…
そんなところです。
…最後に、二人に話しておきたいのが…
私が一度、自ら命を絶ったという事。
全てに絶望して、会社の屋上から飛び降りました。
てっきり死んだものだと思ったのに。
目を覚ませば…ここにいました。この世界に。それがどうしてだか、私にも分かりません。
…あの、ごめんなさい。
こんな事を聞かせてしまって。
誰が聞いたって、嫌な気持ちになりますよね』