第37章 ピックアップ記念 読み切り
ミ「うんうん。似合う似合う。やっぱり僕の見立ては間違って無かったようだ。ねぇ初音?」
初「そうですね」
ミ「エリには赤が似合うと前から思ってたんだよ。本当に綺麗だ。ねぇ初音?」
初「そうですね」
初音の手によって 髪を巻かれ、そしてすっかり和装に包まれた私の前に、ミナトは座っている。
そして満足そうに彼は微笑んでいた。
『あ、あのミナトさん…贈り物って、どういう事ですか?私貰えませんよ』こんなの
ミ「まぁいいじゃないか。せっかくのお祝いなんだから」
『で、出たお祝い!またそれだ!だから一体なんの』
ナ「あ!姉ちゃん来てたのか!」
ミ「…ナルト、君はノックをして入って来た試しがないね」何度も言ってるのに
ノックをせず部屋に飛び込んでくるナルトを咎めるミナト。このシーンはたしかに私も何度か見ている。
ナ「そういう話、今日はいいってば父ちゃん!
それよか、姉ちゃん着物珍しいなー似合ってる」
『あ、ありが』
ナ「なぁなぁ!着物の時ってパンツ履いてないってマジ?」おせーておせーて
ミ・初「「『………』」」
ナルトは無邪気な笑顔で、突然爆弾を投下した。
ふーー、と、長いため息を吐くミナト。ここは父として、さすがに我が子を教育してもらわねばなるまい。
ミ「ナルト…そういう事は、直接聞くもんじゃない」
そうそう。その通り。
ミ「履いているか、履いていないか、分からないから良いんじゃないか!」
『………ん?』なに?
ミ「想像するんだよ。簡単に答えを求めるんじゃなくて、だ。
分からないからこそ…着物は、男のロマンなんだ」
ナ「なるほどな…深いってばよ」ごくり
父から子へ、いらぬ性癖が受け継がれた瞬間だった。