第34章 ※目撃と選択と、三人と行為と
カカシの低くて切なくて甘い声が、耳元で鳴る。
『あ、あんなのは…っもう、とっくに期限切れです…!』
「う…やっぱり根に持ってる…」
ぼす、と彼の頭が胸の上に降ってくる。
私の上にカカシの体が覆い被さっている。
うぅ…上目遣い、可愛すぎるっ。
「俺だって…あの時は、断腸の思いだったんだよ?」
私は彼の頭を抱き締めて、少し硬い髪を撫ぜてやる。
『はいはい、分かってますよ…』
「ま!例えあれが期限切れでも、俺は君を抱くんだけど」
『えぇ!?ちょ、ちょっと待って下さい!』
彼は今なんと言った!?私の聞き間違いではないのなら、抱くと言った!?
私が自分の耳を疑っている間に、カカシは次の段階に進もうとする。
パジャマシャツのボタンが上から外されていく。
『は、はたけさんっ、あなたさっき言ってましたよね!?当面は三人でいてくれるって!
それなのに、こんな…一線超えちゃったら無理でしょう!』三人でいるなんて
「……」
淀みなく作業を続けていた彼の手がピタリと止まった。
「…じゃぁ、最後までは、しない」と、思う
『と、思う!?』
「せめてサスケと同じところまで。
ほら、俺達は師弟関係だからさ。師弟は足並みそろえないと。やっぱり」
「そ、そんなの聞いた事ありません!」
ほら、もう黙って。と囁いてから。
彼の濃厚なキスが始まるのだった。
彼のキスを受けていて思う。あぁ、私はこのキスを待っていたのだ。と。
ふいにキスが終わり、寂しさに襲われる。
「…ん、いい顔…」
満足気に目を細めると、彼は額にキスを落とす。
それをうっとりと感じていると。
「…エリも、今日言ってくれてたね。
俺の顔、綺麗だって」
『…起きて、たんですか』
「まーね」
彼は答えながら、私の鎖骨に吸い付く。
チクリと刺すような痛みが走る。それすらも、彼にかかれば甘いものに変わってしまう。
『ん、っ、』
「君が顔を褒めてくれるなんて、嬉しい。
でも、君の方が…ずっと綺麗で…素敵だ」
全てのボタンを外し終わると、私の前を覆う布は完全になくなってしまう。
全て、彼に見られてしまう。