• テキストサイズ

モノクローム【NARUTO】

第33章 帰郷と目論みと、光と闇と




「廊下の角でぶつかるなんて、まるで青春漫画の1ページみたいだね。ね?」

顔を上げると、そこにはミナトが立っていた。

『ミ…、四代目様!どうしてここに…』

思わず、彼の事をミナトと呼びそうになってしまう程には驚いた。

「ん、少し気になって。君がカカシと話を出来たかどうか。
でも…その様子じゃまだ会えてないらしいね」

しょげた様子の私を見て、ミナトは察した。

『…実は…』

私はミナトに、カカシを探し回ったが会えていない事。もしかしたら彼に避けられているかもしれない事を伝える。


「…なるほどね。まぁ、その可能性もあるかなと思って来たわけなんだけど」

『え?』

「おいで。俺が一肌脱いであげよう」

私は、くるりと羽織を翻して歩いていくミナトの後を追った。
背中に描かれた “ 四代目 ” の文字が大きく見えた。


そんな彼に連れられて、私は火影詰所までやって来た。

「いま初音がカカシを探してるからね」

『ミナトさん…本当に、ありがとうございます』

ミナトの気持ちを考えると心が苦しい。


あの夜の事を思い出す。
私が彼に、カカシに私を追う命令を出したか?
と質問をぶつけた日の事。

彼は、一体どういう心情で答えたのだろう。

結果 彼は、自分は命令を出していない。そう答えた。
しかし本当は…?心の奥底では、違う答えを私に言いたかったのではないか?

自分が命令を出した。
そう私にもし嘘をついていたなら…私は多分、カカシと話をしようなどという心情にはなっていなかったはずだ。

きっとミナトは…
色々な、複雑な感情を今も抱えてここにいてくれてるのだろう。

どうして、私に協力しようなどという心境になるのだろうか。
彼の、本心が私には分からない…。

/ 630ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp