第32章 花の後と、墓参りとモノクロームと
祭りや宴会の後の空気というのは、どうしてこうも物悲しさが漂うのだろう。
私はイルカと共に花見の後片付けを進めていた。
『楽しかったですね…あ、あとお料理も美味しかったです!』
「あはは、花より団子ですねーやっぱり。でも本当に美味しかった」
『ですよね。盛り付けも綺麗で…
あ、盛り付けといえば、あのお野菜の飾り切り!見事でしたねぇ』
「それ俺も思いました!やっぱり、家じゃ ああは上手くいかないですよね…」
私とイルカは、話をしながらも手は休めない。
ふと周りを見渡すと、同じように会話をしながら片付けをしている先生達の姿が目に入る。
ちなみにミナトだけは、急ぎの仕事を片付けるという理由で一足先に詰所へ帰った。
あそこで掃除をしているのは、アスマとガイ。
ここからでは何を話しているかまでは分からないが、楽しそうに騒いでいる。とにかく、仲が良くて微笑ましい。
「お前は馬鹿かよ、ガイ…」
「いつつ…そう言ってくれるな。日々の鍛錬は絶対に怠るわけにはだな」
「だから馬鹿かって。そんないつでも出来る鍛錬今日は置いとけよ!てか全然隠し芸になってなかったぞ…」ただの日常見せられた
「そんなわけないだろ!あんなに頑張ったんだぞ!」
「お前…隠し芸の意味分かってるのか?頑張りとかは全然関係な…
あー違う違う。今はそんな事はどうでもいいんだよ。
お前、まさか忘れてるんじゃないだろうな。作戦の事…」
「忘れるわけがないだろう!!我がライバルの悩みは俺の悩み!俺達が解決に導いてやるのだ…。
彼女に、カカシの良い所をこれでもかと俺達が伝える!」
「覚えててくれて良かったよ。
その通りだ。俺達がカカシの魅力を伝えれば、きっとあの嬢ちゃんも奴の良さを分かってくれるはずだ。
そうすれば…」
「晴れて彼女とカカシは結ばれる!」
「そういうことだ。ほら、さっさと行くぞ!」
「いっ、いたたた!!アスマ!右腕はやめろ!右腕わぁ!」