第4章 黒いダイヤと、恋と愛と
「大丈夫ですか!?」
『……っ、』
「……?????」
この異様な光景を、どう説明すればいいか。
まず、部屋には一人の女性が座り込んでいた。
そして目にはいっぱいの涙を溜めて。
あと特筆すべきは、彼女が手にしている物…
「あ、あの、それは何を…
しているのですか?」
彼女は 茶碗を伏せた状態で、それを畳の床に押し付けていた。
『…お、お茶碗です』
よほど混乱しているのだろうか。俺の質問に対して謎の答えを返して来た。
「茶碗、は見たら分かるのですが…
え、えっと俺はですね。
どうして茶碗を床に伏せて。それを両手で押さえつけているのか…を、教えて欲しいのですが」
『…この中…この中には』ごく、
「はい…」茶碗の、中には?
口にするのもおぞましいといった表情で、彼女はそれでもゆっくりと話してくれた。
『中に、黒い、ダイヤが』
「!」ダイヤ!!
やはりカカシの家に国宝級の財宝が眠っているという噂は本当だったのか!
「いやいやいや、違うな、これは」
茶碗の中に宝があるわけがない。
『??あの…どうしましょう…これ』ぐす
「え…っと」
いま彼女には、頼れる存在が世界中でこの俺たった一人だけ。なんて想像をさせてしまうくらい、儚い表情で俺を見上げる。
あぁ、俺が彼女を守らなければ。やれる事なんだってして、どんな事をしても俺が彼女を…
『……うぅ』動いてる…
改めて彼女を観察する。
今の今まで、彼女の容姿になんて気が回らなかったのだが…
改めて見ると、目はなんとも綺麗に澄んでいて。それでいて透き通るような肌に、甘い顔立ち。
ほどよくふっくらした輪郭。なんというかこれは
…かわ