第4章 黒いダイヤと、恋と愛と
「おぃ、あんたら。なにしてる」
「!!!」
『サスケ君!』
自分の馬鹿な考えを頭から吹き飛ばされるように。部屋に聞き覚えのある声が響く。
そうか。そうだった。今サスケはカカシの家に居候しているのだった。
「…なんでここに」イルカが
『サスケ君!いいところに帰ってきてくれて!
お願い助けて』
さきほどまでは自分だけに向けられていた、助けを求める彼女の眼差し…。あっさりとそれがなくなってしまうと、少し寂しい。
「珍しいな。アンタからの頼みか。
……それで?それは何をしている?」
サスケは彼女と同じようにその場に座り込む。
そして押さえつけられた茶碗を三人で眺める。
『…この中にはね、黒い彗星が』
「あぁ、ゴキブリか」
『おっ、お願いだからストレートにその言葉を声に出さないで!』
「なんだ、エリは虫が怖いのか」
『…怖い、って言うか、吐きそうになるくらいには、嫌い』
「…へぇ」
『あ、馬鹿にしてる。その“へぇ”は馬鹿にしてるよね』
正直言って、驚いている。あのサスケが、こんなにも優しい顔で笑っている事に。
少なくとも、俺は見た事がなかった。
クラスメイトや仲間や先生に見せる顔とは明らかに違う…。
そうか、サスケも…少しは心を許せる人を見つける事が出来たんだな。
よかった。
「俺が処理してやるから。早く手をどけろ」
『手をどける!?サスケ君本気なの!?』
俺が勝手に一人で、感動に震えている間にも話は進んでいく。