第4章 黒いダイヤと、恋と愛と
このままじゃ、いけない。
そう思えるくらいには、私の精神は回復していた。
とりあえず決めた事がある。それは…あの二人に私の“全て”を話す事。
これだけお世話になっておきながら、自分の話したくない事は全部隠している。
そんなのは、都合が良すぎる気がしたから。
しかしこの決意を固まるまでは、相当の葛藤が私の中にあったのは言うまでもない。
こちらの世界に来てから、カカシとサスケには迷惑をかけ倒している。
しかし二人は、嫌な顔一つする事なく私の側にいてくれる。
私の隣で笑ってくれる。優しい言葉をかけてくれる。私の事を、知りたいと言ってくれる。
そして、二人なら。私の事を知った上で、本当の私ときちんと向き合ってくれるだろう。
その考えに至ったから、私は全て話そうと決めたのだ。
今日は夕方になれば、二人とも帰宅する予定だ。
私は時計を確認する。
その二人が揃う時間まではあと一時間ほどの時間が残されている。
私は夕飯の支度をしながら、心の準備を整える事にした。