第1章 死と異世界と、質問と銀髪と
カカシ上忍とやらを呼びに行ったナースの姿が見えなくなったら、私はゆっくりと病室にある窓へと足を進める。
その窓枠から外を覗くと。
そこには予想通り、私がよく知った世界とは大きくかけ離れた街並みが広がっていた。
「あれー?また寝ちゃってる?さっきまで起きてたんだけどね!」
「んー、少し来るのが遅かったみたいだね。どーも」
「本当よ!彼女の事、預けるだけ預けて!
自分はまたどっかに消えちゃうんだから!」
「ごめんね。ちょっと野暮用。でももう済んだから」
「まぁいいけど、それで?!この子なに?
どういう関係なのよー!?」教えて教えて♡
「…そんなに面白おかしい関係じゃないよ。
そんな事より、起きてからの様子はどうだった?検査の結果は?」
「ちぇー、つまんないの。
…怪我もしてなけりゃ血液検査もオールクリア。なーんにも別状なかったわよ」
「…そ。よかった」
「私が目を覚ましたのを見つけたのは3時間くらい前。
少し話をして、そこからは ずーーっと、齧り付くようにテレビを見てたわ。
怖いくらい真剣で。
…まるで、自分が全く知らない世界の情報を、必死になって搔き集めるみたいに」
「……なるほどね。他に変わった様子は?」
「…変わった事と言えば…。変な質問をいくつかされたくらいかしら」
「例えば?」
「今は何年ですか?とか、
この国の名前は?とか…」
「他には……?」
「……忍びって、実在するんですか?。って」