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モノクローム【NARUTO】

第26章 敗北と五年前と、立場と単騎と




そして翌日。
軟禁部屋から連れ出された私は、そこから同じく五階にある広い豪華な部屋へと連れてこられた。

入口の大きな扉からは、一直線に赤い絨毯が敷かれていた。そしてその先には装飾の施された一脚の椅子が悠然と置かれていた。ここはまるで王族貴族等の謁見部屋のようだ。

そして、当然のようにそこには長である彼が鎮座していた。

サキに手錠を掴まれて、無理矢理に歩かされる。

『……っ、』

そしてシュンが見ている前で、細い柱に身柄を拘束される。

「…始めろ」

その一言は、威圧的で、脅迫じみていて。身震いがした。

『始めるって…な、なに?拷問でも始まるの?そんな事したって、私何も知らないから!」

「…は。お前、物騒な物の考え方してんな。
そんな事より…もっと確実な方法がある」

シュンの方に向けていた顔を、サキの手によって強引に前に向けられた。

「私の言葉を聞け」

彼女の目が、ギラリと光った。

『…っ』

「今からお前に術をかける。

こちらの質問に、一切虚偽が許されなくなる術だ」

『え』

「発動条件は、私が自分の口で術をかける相手に、術の内容を明かす事」

なるほど。では、今まさに術が発動する条件が満たされたわけだ。


私は彼女の瞳を覗き込む。バッチリ彼女と視線がかち合ったのを確認して。そしてそのまま 一秒…二秒…

「お前は今から十分間、いかなる質問にも答え、そして嘘をつく事は出来ない」

三秒…四秒。

「!!」

彼女は、驚いたように瞳を見開いた。

解術が成功したのだろう。

シカマルの話では、体内のチャクラが乱れる感覚と言っていたが。
もしかして今ので、彼女に伝わってしまっただろうか?私の能力が。

「…時任様。術がかかりました。設問を開始致します」

その言葉を聞いて、私は安堵のため息を漏らす。どうやらサキは、無事に術が発動したと思ってくれたようだ。

シカマルの影真似のように、解術がハッキリと目に見えるタイプの術でなかった事が幸いした。彼女は、私が自分の手中にいると思い込んでくれている。

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