第25章 切迫と報復と、開戦と危機と
「うちはサスケ、お前はどうしてそちら側に立っている?」
『?』
「…なに?」
さらにシュンは続けた。
「お前には力がいるはずだろ?こんなクソ木ノ葉でぬくぬく友達ごっこか?そんな事で…目的は達成出来るのかよ?」
私には、彼が何を言いたいのか全く理解出来なかったのだが。どうやらサスケ本人には伝わったようだ。
「…なるほどな。俺の事もそれなりに調べてあるってわけだ。それで?俺にもアンタ等みたいに抜け忍になれって言いたいのか?」
「お前は、そこそこ見込みがあるからな。それなりのポスト用意してやってもいいぜ。今なら、ちょうど同じ里出身の同期も出来るぞ」
「…同期?何を言ってる」
「この里には、抜けたがってる奴がゴロゴロしてるって話だ。
例えば…コイツみたいにな」
シュンは、腕を高く掲げた。そしてその合図で、彼の隣にひらひらと蝶々が集まってくる。
この蝶は、見た事があった。私も、サスケも。
これは…
黒蝶アゲハの物だ。
「…」
やがて蝶はおびただしい数となり、その集合体がアゲハの姿へと変化した。
『…黒蝶、さん』
「お前…抜けたのか。木ノ葉を」
「アンタ達に語る事は、何もないけど。
もう、この里にいる意味なんて。私にはない」