第25章 切迫と報復と、開戦と危機と
何から尋ねたら良いか。
どうしてそんな顔をしているの?
ここで何をしてるの?
もう隠れていなくていいの?
結局、どれを選ぶか迷っている内に。どれも言えない状況に陥ってしまう。
『っっ、ぅ』
私は木の陰から飛び出してきた人物に、地面に転がされた。
そして一瞬のうちに、いとも簡単に両手を後ろで拘束される。
強引に腕を捻り上げられ、肩が外れそうになる激痛。声の一つも上げられない。
そんな中、目の前に立つシュンをなんとか見上げる。
彼の表情は、もう全ての迷いを吹っ切ったような そんな冷徹な色が張り付いているだけだった。
そんな顔をされては。こちらも諦めが付くというもの。仮に私が本気で抵抗したところで、結果は変わりはしないだろうが。
「時任様、ここに長居しては危険です。引き上げましょう」
シュンのすぐ後ろに控えている、長髪の男が静かに言った。
「…分かってる。サキ」
「は」
名前を呼ばれた、私を取り押さえている女性が返事をする。そして私を立ち上がらせようとした
その時。一陣の風が私達の間を吹き付けた。
思わず目を瞑ってしまう。次に目を開いた時には
すぐ目の前に、見慣れた背中があった。
『……っ、サスケく///』
「おいアンタら、どこの忍だ」
右手で持った苦無を、体の正面に構え。左手を伸ばして私を背に庇う。
「こいつに…何をしてる!!」
「うちはサスケか」
シュンが唸るように名前を呼ぶ。そして
「サキ、コウ。やれ」
名前を呼ばれた二人の部下は、シュンの言葉を聞くなりサスケに向かって同時に駆け出した。
サスケも、より姿勢を低くして二人の敵に向かって走り出す。
怖い。怖くて堪らない。間もなく彼等が、正面からぶつかる!