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モノクローム【NARUTO】

第25章 切迫と報復と、開戦と危機と




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最近の私の日課は、アカデミーからの帰り道である桜並木を歩く事。そしてそれを見上げながら桜の開花状況を確認するのだ。

時の流れは早いもので、この間やっと蕾が芽吹き始めたところだというのに。今はもう六分咲きといったところだろうか。

自然と表情が緩む。

『あと一週間もすれば満開だろうな…そうなればお花見しないと。
サスケ君とはたけさんと…あとミナトさんと、イルカ先生…』

私は指折りメンバーを数える。サクラやイノ、ナルトも誘いたい。そうなれば早起きしてお弁当を作らなければ。

そんな楽しい妄想をしながら見上げると、ヒラヒラと一枚の花弁が舞い落ちる。私はそれを目で追って行く。

しかし、花弁が地面に降着するまで見届ける事はなかった。
なぜなら、それが目線の高さまで降りてきた際、他のものに目を奪われたから。

私の目の前には、ある人物が立っていた。

「……」

『!!シュン!』

二度と会う事が叶わないかもしれない。そう思っていた人物が目の前に現れたのだ。

思わず私は彼に駆け寄る。

『シュン!元気そうだね。怪我はもういいの?

っていうか、何も言わずに消えるんだもん。もう、会えないかと…思ったんだか、ら』

初めて自立する彼を見た。しかし、何か様子がおかしい。すぐさま駆け寄った私に対し、彼の方は微動だにしない。
それに、以前にも増して冷たい雰囲気が彼を包んでいた。

「……」

彼の長い腕が、ゆったりと動いて私の方へ伸ばされる。何をされるのだろうかと、私は思わず体を硬くする。

微かに彼の指先が私の髪に触れ、ふわりとした感触に目を開けると。彼の指先には桜の花弁が一枚。

すぐに理解した。私の髪に付いた桜の花弁を取ってくれたのだと。

『…シュ、ン?』

「…言ったろ?またな、って」

なんて表情で言葉を紡ぐのだろう。

悲しそうな。嬉しそうな。
泣きそうな。怯えているような…。

彼のそんな顔を見て、声を聞いて。
私は唐突に悟ってしまった。

あぁ、これから何かが始まるのだ。と

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