第24章 エメラルドと瞬と、酒乱と酒乱と
結局、その日もカカシとサスケは帰って来なかった。
勿論、不安だし心配にもなるが。二人が優秀な忍であるのは理解していたし、彼等が簡単に敵にやられる姿など想像も付かない。
それに、私が心配したところで。どうなるわけでもないのだから。
『……っ、』
私の心配など、無意味だ。
そんな、ただの事実が私を押し潰しそうになる。
心配したって、意味がない。
泣いたって、意味がないのに。
その時、インターホンの音が鳴る。
私は急いで袖で目をゴシゴシと拭って玄関へ向かい、扉を開ける。
「こんばんは、あの、もう飯って食いました?よかっ…たら…」
『あ…こんばん、は。あ、ご飯、私もまだですよ!』
イルカ先生だった。彼は不自然に会話を止め、私の顔を見た。
「……待ってるだけって、辛いですよね」
彼の指が、私の目尻を優しく撫でる。
「俺も、待ってる事が多いので。気持ち分かりますよ。不安、ですよね」
『……こわい、です。もし、もし』
二人が、このまま永遠に帰って来なかったら。
『私、なんにも、出来なくてっ///』
歯痒い。自分に力が無い事が。
「っ、」
私の涙が、イルカの服を濡らす。
「大丈夫、…大丈夫ですっ///」
私のすぐ上から、彼の言葉が響いて来る。
温かい、優しい体温。
「何も、出来なくなんてないです!
きっと、どれだけ疲れて帰って来ても、ボロボロに傷付いて帰って来ても、貴女に…
貴女が笑って出迎えてくれたなら それだけで二人は、幸せですよ。救われますよ。
だから…
二人の前で笑う為に、俺の前では、泣いていいですから///」
『っ、〜〜〜、///ぅ』