第24章 エメラルドと瞬と、酒乱と酒乱と
講義終わり。
今日は私を待ってくれているサスケの姿はない。彼は、カカシと共に遠征に出ているからだ。
最近、カカシだけでなくサスケですら遠征に駆り出される事が少なくない。
よっぽど木ノ葉の情勢を左右するような事態に陥っているのだろうか。
そんな、私がいくら考えたって仕方がない事を思考しながら、アカデミーの廊下を歩く。
「暗い顔だね。大丈夫?」
『!!ミナ…、四代目様…こんにちは』
「こんにちは。まぁ実は、君が浮かない顔をしている原因には心当たりがあるんだけど。
ごめんね、寂しい思いをさせて」
サスケとカカシを、私の元から引き離してごめん。とミナトは言う。
『いや、何をおっしゃいますか…そんなの、お仕事優先にして下さい。
私の気持ちなんて、火影様は考えなくても良いに決まっているじゃないですか…』
「…うん、ごめん」
『いいんです!謝らないで下さい。これ以上謝ったら怒りますよ!』
「あはは、それは困る」
廊下で火影と談笑している私の隣を、幾人かの人間が興味ありげに見ながら通り過ぎる。
その中の一人に、見覚えのある顔があった。
私は、思わず話しかけていた。
『あ、こ、黒蝶さん!』
「……」
それは、カカシに本気で恋する 黒蝶アゲハの姿だった。
『こ、こんにちは…黒蝶さんも、何か講義受けてたのかな?お疲れ様』
「…金輪際、私に話しかけるな」
勿論、友好的に話が出来るとは期待していなかったとはいえ、思っていた八倍くらいのダメージを負った。
アゲハは、ミナトに軽く頭を下げ挨拶をした。
そしてすぐに廊下の先へと消えて行った。