第24章 エメラルドと瞬と、酒乱と酒乱と
——point of view 時任
波風ミナト。はたけカカシ。
俺は絶対にお前等を許さない。
いや、その二人だけじゃねぇな。
木ノ葉里も。木ノ葉里に住んでる人間全員。憎くて憎くて仕方ねえ。
どいつもこいつもヘラヘラ平和な顔して笑いやがって。
この偽りの平和が、どれほどの忍の犠牲の上に成り立ってるのかこいつらは想像もしねぇんだろう。
考えれば考えるほど全部壊したくなる。
そんな気持ちがはやったのだろう。
俺は敵陣の里で下手こいちまって動けなくなり、空き家に身を隠していた。
そんな時だ。あの女がのこのこ俺の前に現れたのは。
顔は知っていた。部下が、ターゲットとして定めたこの女の写真を寄越していたから。
クソが。俺は馬鹿だ。“ 対象 ”がこんなに近くにいやがるのに、毒と怪我で動けねー。
この後の展開なんて、どんな馬鹿でも読める。
俺はこの女に人を呼ばれて、敵陣でとっ捕まってジエンドだ。
俺の野望が…こんな形で終わるとは…。
しかし…
俺が思い描いたような未来は訪れなかった。
消えろと。殺すとまで言われて、この女…
どうしてまだここにいる?どうして戻ってきた?
水が入ったコップを持つ手が小さく震えている。
怖いんだろうが。逃げ出してぇんだろうが。
俺に構う意味が分からねぇ。
俺を助ける気だかなんだか知らねーが。
後悔するのは、アンタだからな。