第23章 破術と秘密と、風邪と言の葉と
「ま!別に良いけど。
それよりも、珍しいね。面倒くさいが口癖の君が他人の見舞いなんて。
シカマル…そんなに、この子と仲良かったっけ?なーんか怪しいんだよね。どーも…」
目の前のカカシから、明確な敵意を感じる。
あぁーめんどくせぇなぁ…
恋ってやつは、ひと一人をここまで変えてしまうのだ。それって…本当に凄い事だ。
「別に、ふつうっすよ」
凄い事。そうは思うけれど。
自分がそうなりたいか、と聞かれれば答えは ノーだ。
カカシ、サスケ、四代目にイルカ。もしかしたら他にも誰か。
そんな面々と女一人を奪い合う?ありえねー。割に合わない。
前も思ったが、俺は絶対に参加しない。そんな面倒で不毛な争奪戦には。
「あ、そう。ならいい」
『…ん、れ…?シカマル、君?』
エリが目を覚まし、俺とカカシを交互に確認した。
「イルカ先生から、アンタが風邪だって聞いたからな。見舞いに来てみたんだよ」
『え…シカマル君、そんなキャラだっけ?』
そうだよ。そうなんだよな。
俺だって、自分で何してんだろうって思ってるところなんだよ。
「…俺が、エリに風邪引かせちまったようなもんだからな。責任感じたんだよ。
悪かったな。“ あんなところで ” “ あんな格好 ” させちまって」
『!!///』なっ
「は?」どういう事?
俺のたったこれだけの発言で、真っ赤になったアンタの顔も。
自分が圧倒的優位に立っていると思っていたカカシの慌てた顔も。
「ははっ」
見ていてどうしてこんなに、俺は気分が良くなっているのだろうか。