第23章 破術と秘密と、風邪と言の葉と
ナルトとサクラまで、私の見舞いに来てくれるとは思っていなかったので。驚きはしたが、とても嬉しかった。
『二人とも、ありがとう…来てくれて嬉しい』
「カカシ先生だけじゃ、ちゃんと看病出来るか不安だったんで…」
「ぷぷ。カカシ先生ってば、信用ねー」
「…失礼な子達だなぁ」
三人の掛け合いを聞いていると、自然と心が和んだ。ずっとこの様子を見ていたいとさえ思わせる。
「何か困ってる事ありませんか?遠慮なく言って下さいね!
困った時はお互い様ですから!何か力になりたいんです」
サクラの優しい言葉に、思わず笑みが溢れる。
『ありがとう、サクラちゃん。でも、大丈夫だよ。はたけさんがご飯も作ってくれたし…
掃除や洗濯は私が治ってから』
「掃除…洗濯!」
サクラの目が、キラリと光った様な気がしたのは私の気のせいだろうか…
「私に任せて下さい!とりあえず掃除…
ナルト!アンタはリビングね。私は…サスケ君の部屋を」はぁはぁ
「サクラ…」はぁはぁ言ってる
「サクラちゃん…」ちょっと怖い
力になりたい。この言葉も、私の胸にスタンと落ちた。
自分がしんどい時は、誰かに甘えても良いと。言ってくれているのだろうか。
「掃除洗濯終わりましたよー」
「サクラ、しー」静かに
「ん?あれ。姉ちゃん寝てんのか」
「そりゃ寝るでしょ。病人なんだから。
二人とも手伝いありがとう。助かったよ。
俺は今の内に買い出し行くとするよ。二人ももうここは大丈夫だから。一緒に出よう」
「そうですね。睡眠は大切ですから。寝かせておいてあげましょう」
「ほーーい」