第23章 破術と秘密と、風邪と言の葉と
『…あ、頂き、ます?』
私は異様なくらい近くに差し出された、それを普通に受け取った。
「…っく、」普通、そう、なりますよね…
「イルカ先生…。ふ。まだまだですね」
『??』
まさかイルカも、“あーん”をしてみたかった。
など。私には分かるはずもなかった。
その後イルカがアカデミーに戻り。
私はお腹が満たされて、そして薬を飲んで。
「はい、じゃぁ。ゆっくりお休み」
『…はい』
私はてっきり、カカシは部屋を出て行くものだと思っていたのだが。彼は本を片手にした。この部屋から出る気配はない。
『…はたけさん、ずっと側にいてくれなくとも…
私、大丈夫ですよ?』
『んー…いいからいいから。俺がいたいの」
カカシの低い声が、自分の中で優しく響く。
なんだか…眠くなって来た。
そういえば…イルカが来る少し前、カカシは何か言いかけていたな。と思い出す。
彼は、私に何を言うつもりだったのだろうか。
少し眠って、次に起きたら。
カカシに直接聞いてみる事にしよう。
徐々に徐々に、私は深い眠りへと誘われたのだった。
ピンポーンと、
またこの音が聞こえた。
薄っすらと覚醒した意識の中、目を開ける。
カカシが目の前の椅子から立ち上がるのが確認出来だ。また、誰か訪ねて来たのだろうか。
「こんにちはー。イルカ先生からエリ先生が
風邪引いたって聞いて、お見舞いに来ました。お加減はどうですか?」
「飯食った!?風邪の時は腹一杯食って寝る!これに限るってば!」
「ちょ、ナルトうるさい!!病人の前で大声で騒がないでよねっ!」
「おーい二人とも、病人の前で大声で騒がないでよ」しー