第23章 破術と秘密と、風邪と言の葉と
「なんでこんな事が起きてるのか、仕組みは俺だって分かんねーけど。
聞いた話だと、アンタの体にはチャクラが流れる経絡系すら存在しないらしい。そんな人間が…この世に存在してる時点で、もう俺が考えられる範疇超えちまってる」
シカマルは、複雑そうな顔をして空を見上げる。
『…な、んかごめんね。面倒くさいよね』
「いや…知っちまったら、ほっとけないだろ。こんな事」
実は私には、考えついてしまった事がある。
思いついてしまったからには、確認してみたい。
『シカマル君が言うように、私の瞳が特別なら。
もしかして、みんなの役に立てる?
私でも、戦えるのかな?』
「……」
シカマルが、真顔で言ってのける。
「2000%無理」
『……破格だね』諦めもつくわ
一瞬とはいえ、夢を見てしまった。
最近、カカシとサスケ、周りの忍と名の付く人達はみんな忙しそうだ。
私には詳しく教えてはくれないのだが、どうやら近隣の新里と上手くいっていないらしい。
潜入捜査や戦闘、色々な理由で仕事に出向く日が増えたのだ。
私に、力があれば。私も、戦えたなら。
少しでも彼らの負担を減らす事が出来るなら。と思ったのだが。
「…その顔、全然諦めてねーだろ。
口で言うより、体感させてやろうか?」
『え』
私が声を発するのとほぼ一緒のタイミングでシカマルが私の上に乗っていた。
そして、カチャリと音を立てて私の首元に苦無を当てがった。
「…これで分かったろ。自分がどれだけ
非力かって」
『……』