第23章 破術と秘密と、風邪と言の葉と
シカマルが、岩の上から手を伸ばしてくれて。
私はその手に捕まり引っ張り上げてもらう。
春とはいえど、やはりまだまだ肌寒い。川遊びなんて、もってのほかだ。
「悪かったな…」落っことして
シカマルがすぐに火を起こしてくれたので、私はずぶ濡れになった体をすぐさま温める。
『いや、いいんだけど…えっと、どういう事?嫌がらせ?』まさか
「んな事するかよ。
っていうか、俺にも分かんねー…」
一度は、影真似の術は確かに成功したのだそう。
しかし私の体制を立て直す前に、何故か術が解けてしまったという。
『そっか、、不思議だね…でもとりあえず、熊じゃなくて本当によか…、、はっくしゅ』
「…あー…とりあえず、服脱げよ」
『えぇ…』
「バッ///誤解すんなよ!俺の服貸してやるから」
シカマルは、自分が来ていた服を一枚脱いだ。
下には薄いアンダーが一枚。明らかに寒そうだが、私の方は全身ずぶ濡れ…
申し訳ないとは思ったが、ここは好意に甘えるとしよう。
シカマルが向こうを向いている内に、私は下着以外を脱ぐ。
そして上にはシカマルから借りた服。
下には同じく、彼から拝借したベストをかける。
後ろから見たら、パンツが丸見え状態だったが。
後ろは川が流れているだけなので。服が乾くまでは我慢するしかない。
『ありがとうシカマル君。寒くない?
しっかり火にあたってね。風邪引かないように』
「あぁ…」
シカマルは、自分の寒さなどお構いなし。という様子だった。
それよりも、何かを懸命に考えているようだ。