第3章 猫と秋刀魚と、涙と笑顔と
「ただいまー」
『あれ、今日は早いですね二人とも』
仲良く帰還してきた二人。しかし時刻はまだ十六時といったところ。これはなかなか珍しい事だ。
「あぁ。今日はカカシと同じ任務だった」
「そういうこと。いやー、優秀なサスケのおかげで早く帰ってこれたってわけ」
「ふん」
『そっか。凄いね。お疲れ様』
カカシが手放しでここまで褒めるのだ。本当にお手柄だったのだろう。
「それに、依頼人がお礼にって言って。こんなの、もらっちゃったんだよね」
上機嫌なカカシから、お礼で頂いたらしき“それ”を受け取り。その袋の中を確認する。
『!わぁ、秋刀魚ですね!』
袋の中には、見るからに新鮮な秋刀魚がキラキラと三匹。
『…鼻先は黄色。身も張りがあってツヤツヤ…
目も綺麗に透き通ってる。これは間違いなく美味しいですね』キラキラです!
「エリは野菜だけじゃなく魚にも精通しているの?」キラキラしてるのは君ね
『普通です』
「そうだ。七輪どこにしまったかなー」七輪七輪と
そそくさと秋刀魚を焼く為の七輪を探しに行くカカシ。わざわざ炭火で魚を焼こうという、彼の心意気や良し。
それに比べサスケは…
「焼ければなんでも一緒だろ」
『サスケ君…分かってない、分かってないよ。七輪と炭の偉大さを』
「わ、分かったから、そんな顔するなよ」
胃に入ってしまえば、食べ物なんてどれも一緒派のサスケに言いたい事は山ほどあるが。
実は今、それよりももっと由々しき問題に直面している。