第22章 ※蝶と房事と、誘惑と忘却と
「おいカカシ、玄関の鍵壊したのアンタか」
訝しげな顔で、俺を見るサスケ。
そしてその背中には、俺が今最も会いたい人の姿があった。
「エリどうした!もしかしてどこか怪我とかしてるの?」
「いや…ただ酔っ払って寝てるだけだ」
「……酔っ」
想像していた単語と、あまりにも違う言葉がサスケの口から出てきたもので。かなり面食らってしまった。
「こいつ酒癖悪すぎ。店に入って食事初めてから一時間と少しでこれだ。
大人なら、もう少し飲み方を考えて欲しい」
珍しく、サスケが俺に愚痴った。しかし、俺の中は安堵でいっぱいだった。
よかった。彼女が無傷で。気持ち良さそうにサスケの背で眠る彼女の その寝顔を見つめた。
サスケと二人で、荒れ狂った寝室を そこそこ見れるようにしてから。ベットに新たにシーツを敷き直して、ゆっくりと彼女を寝かせる。
「…短時間で相当飲んでたな」
サスケが独り言のように呟いた。
「よっぽど、気に入らなかった事があったんだろうな」ふん
明らかにサスケは何かを指して話していた。
「…そっか。
また…エリとはゆっくりと話しをしないといけないね」
サスケが部屋を出て行って、俺は彼女の寝顔を見つめ続けて。
どれくらいの時間が経っただろうか。まぁ多分一時間も経っていないと思う。
エリの目が、ゆっくりと開いた。