第22章 ※蝶と房事と、誘惑と忘却と
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「こんにちは!はい、これお給料だよ。
一ヶ月間お疲れ様でした」
驚いた。まさかミナト自らが、私に給料を渡す為にここに現れるとは。
『あ、ありがとうございます。
まさか、全員のお家を周られるんですか?』
「まさかだよ。君は特別」
にっこり笑うミナト。こんなにも簡単に、私を特別だと言ってしまう彼だったが。
不思議と軽薄感は感じらず、嫌な気持ちには全くならなかった。
『もしお時間ありましたら、お茶飲んで行きませんか?』
私は時計を見上げる。すると時刻は十五時。
彼の仕事に、落ち着く時間があるのかどうか私には分からなかったが。
「ありがとう。少しだけお邪魔しようかな」
「へぇ、昨日カカシとねぇ」
『そうなんですよ!ガイさん、楽しい人ですね。私ファンになっちゃいましたよ』
「それ、本人に言ってあげたら泣いて喜ぶんじゃないかな」そんな人レアだから
私は、昨日カカシと出掛けて起こった出来事を、ミナトに話していた。
彼はお茶を飲みながら楽しそうに聞いてくれる。
『それにしても…はたけさん、やっぱりとてもモテますよね』
「…そうだね。まぁモテるってだけなら、サスケも凄いけど」
しかし、サスケを好きな女の子達は。どことなくミーハー的な意味合いが大きい気がした。
「本気度でいくと、カカシだろうね。なんていうか、もう執念すら感じるよ。
カカシを追いかける女性達からは」