第22章 ※蝶と房事と、誘惑と忘却と
「昨日がクリスマスイブで、今日がクリスマス?」
『そうだよサスケ君。昨日ははたけさんと お出掛けしたんだ。
どう?今日はサスケ君も出掛けない?』
朝ごはんどき。三人は、いつものように私が作ったご飯を食べる。
「えー、なんかエリ、サスケには優しいよね…差別だ」
『そ、そんな事ないですよ』
「…今日は、仕事だ」
サスケは、淡白に言い放った。しかし
「ただ…夕方には終わるから、夜は、時間が…ある」
少し気まずそうに、私から視線を外して告げるサスケは。心なしか、嬉しそうだった。
『そっか!じゃぁどうしよう?三人で外食でもする?』
「それいいじゃない。俺も夜には帰って」
「カカシとは昨日 出掛けたんだろう。今日は俺の番じゃないのか?」
「う…」
鋭くカカシに言い放ったサスケは、もうすっかりいつも通りだった。
『あはは、たしかに。じゃぁ今日の夜は、サスケ君と外食だ!
たまには私がご馳走するよ』
今日は二十五日。アカデミーで働いて、初めての…
「あ、そっか。今日は」
「給料日か」
そういう事である。
丸々一ヶ月分の給料が、本日手に入るわけだ。
「俺だって給料日だ。女に金を出させるなんて、そんな真似はしたくないんだが」
『お、男前だ…』
「サスケーエリはお前より稼いでるぞー」
「…うるさい」
カカシのチャチャをぴしゃりと切って。サスケは神妙な顔つきで呟く。
「ところで…
どうしてクリスマスに、知らないオヤジが子供にプレゼントを配るんだ?」怖くないか