第18章 狐と本能と、血と炎と
彼の、長く激しいキスを受けてどれくらいの時が経ったのか分からないが。
頭に酸素が十分に回らなくてクラクラしてきた。
『ちょ、…待っ///はた、けさ』
制止すべく、彼の胸に手を置いて力を入れてみるが。全く意味を成さなかった。
「……エリっ…、は///」
そんなにも熱っぽく名前を呼ばれると、こちらも頭がぽーっとなり理性を失いかけるではないか。
しかしカカシの方はもうそんな物とっくに失っているように見えた。
やっと唇が解放されたかと思うと、今度は首筋にキスが降る。
っちゅ、っと音を立てて吸われると、嫌でも体が反応してしまう。
熱く柔らかい彼の唇の感触。あまりの快感に心臓が震えた。
口付けにしても、首筋への愛撫にしても。
彼のテクニックは私が今まで経験してきた物とは比べ物にならなかった。
こんなにも上等な技術が身に付くまで、彼はどれくらいの女性を抱いて来たのだろうか。
なんて、そんな事を考えてしまう。
しかし。私の服に手がかけられたところで、さすがに なけ無しの理性が復活してくる。
『ちょっ!はたけさん!///それ以上は!』
「……」
駄目だ。我を失っていて私の声など届かない。
彼の手が、するりと服の中に侵入する。
『待っ///』
彼のテクで、体を触られなどしてしまったら。
私は一体どうなってしまうのか。想像が全く付かなくてむしろ怖い。
そんな思いとは裏腹に、私はぎゅっと目を瞑る。
その時。
ゴチン!!
と額に激痛が走る。
この…感覚は……
またしても、デジャブだった。
気絶した人から頭突きを食らわされるレアな体験を、日に二度もしてしまうなんて…誰が予想できただろうか。
私は意識が飛びそうになる程の激痛を、なんとか声を殺して耐えるのだった。