第18章 狐と本能と、血と炎と
私は彼の言葉を一度飲み込み、しっかりと深慮する。
「…あの、えっと…聞き間違いじゃ、ないよ」
『……だ、だとしたら、問題です///』
「ぅ、…っ」
『はたけさん!?どうしたんですか!』
話の途中、カカシが急に体をぶるりと震わせた。
思わず私は彼の元に再び駆け寄る。
「やっぱり…血を流し過ぎたのかな、すごく寒い。っ…、凍えてしまいそう、だよ」
布団の中で小さく丸まり、ふるふると震え出すカカシ。そんな姿を見て、何もしないわけにはいかなかった。
『……失礼します』
私は、カカシのいるベットの中へと潜り込む。
そして横向きになり、カカシの体を抱き締めた。
『どうですか?少しは温かいですか?』
「…ん、幸せ…」
『そんな事は聞いてません…』
「温かいよ。エリは本当に、優しいね」
至近距離で、ふわりと微笑んでそんな事を言われると、さすがに照れる。
『…っ///』
まして、いつも見慣れている彼の顔ではない。カカシがこんなにイケメンだったなんて、予想していなかった。
『不意打ち、です。こんなのは』
「不意を打ったつもりはないけど…
ねぇ、どうして目を合わせてくれない?俺の顔、そんなに変かな」
変なんてとんでもない!整い過ぎているのだ!
と、言ってしまえたらどれほど楽だろう…。
「…ふぅ、ごめんね。以前、一度君を抱き締めた時から、またこうしたいって思ってたんだよね。ちょっと、欲張りになってた…。
大丈夫?怖くない?嫌じゃない?もし嫌なら、蹴り飛ばしてくれればいいよ。
今の俺は、君にすら負ける自信がある」