第18章 狐と本能と、血と炎と
サスケの安らかな寝息を聞き、安心した私。
少し名残惜しい気持ちになりながら、繋いでいた手をそっとはなす。
そして自分も就寝する為に彼の部屋を後にした。
簡単にシャワーを浴びて、歯を磨く。
台所に寄ってコップ一杯の水を飲んでから、寝室へと戻った。
『サスケ君の容態が落ち着いて、よかった…』
誰に言うでもない、独り言を呟きながらベットの中に入る。
ベットに入ると、自然と瞼が重くなった。
ここ数日の事を振り返る。
サスケがインフルエンザにかかり、カカシ不在の為に医者に連れて行く事が出来ない。あの時は本当に焦った。
あんなにも全力で走ったのはいつぶりだろうか。
そしてその後に、かつてお世話になった看護師さんに再会出来たのは嬉しかった…
サスケが元気になったら、早くこの話をしたい。
あと、もちろんカカシにも…
仰向けから横向きに寝姿勢を変える。
『はたけさん…今頃は、どうしてるんだろう…』
かつては彼が使っていたベット。シーツに顔を摺り寄せる。
まだ微かに、カカシの匂いが残っている。
どうか無事に帰ってきて…早く私の話を聞いて欲しい。
そんな願いをぼんやりと思い浮かべ、私は襲ってきた睡魔に従順に身を任せる。
ばすん!と、急にベットが跳ねた気がする。
その衝撃が夢なのか現実なのか分からず、とりあえず目を開ける。
すると、
狐の面と、目が合った。
『〜〜〜っっひっ///』
あまりの驚きで、私はベットから落ちて尻餅をついてしまう。