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モノクローム【NARUTO】

第18章 狐と本能と、血と炎と



——point of view はたけカカシ



斬って、斬って斬って斬って斬られて。

そして
斬られて、斬って斬って斬って斬って。


そんな極限状態の中でも、やはり脳裏には常にエリの存在があった。

いや、極限状態の中だからこそ。なのかも知れない。


忍が大切な人を作る事については、色々な意見があるが。
俺は否定派だった。

かつて大切だった仲間は全て死んだし、自分のリスクを増やしている事は確実だから。

でもね、それでも。

彼女は俺の特別。



任務完了の笛の音が、俺の耳に届く頃。

月が恐ろしく綺麗で。
早くエリに会いたいと思った。


チャクラをすっからかんになるまで使い果たし、大怪我では無いものの血を流してる。

いつもなら病院直行コースなのだが。

なんとか足を引きずって彼女の元へと急ぐ。



三日前の、玄関での出来事を思い起こす。

俺が遠征に行く事を、心から心配そうに見上げる彼女の表情。

俺の服の裾をちょこんとつまんで、無駄だと分かりながらも行って欲しく無いという気持ちを懸命に伝える瞳。

これでどうして欲せずにいられよう。


早く。早く。
少しでも早く。

彼女を包みたい。包まれたい。

その想いだけで、とっくにオーバーワークの体を動かしていた。


エリに会ったらまずどうしようか。

抱き締めて
ただいま。って言って
不安にさせてごめん。って謝って、

あと、それから…それから…

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