第17章 ※熱と不在と、再会と頭突きと
彼女が帰ってから、どれくらい時間が経っただろうか。
「…ん、…」
サスケの目が、薄く開いた。
『あ、おはよう。お粥あるよ?食べられる?』
「…っ、…額が、痛い」
それは私だって痛い。
サスケは、自分の額に出来たコブをさすりながら呟いた。
薬が早速効いたのか、前ほどの高熱ではなさそうだ。
顔を上げ、しっかりと私を見たサスケが言った。
「…鼻、これどうした」
消毒してもらったばかりの鼻を、サスケが触れようと手を伸ばす。
『!!!』
私は瞬時に、サスケから距離を取ってしまう。
熱で浮かされたせいとはいえ、さきほど彼に襲われたばかり。体がどうしても反応してしまったのだ。
「…?」
『お粥、食べようか!』
私は温め直したお粥を、彼の部屋に用意する。
『自分で食べられる?』
「あぁ…」
彼は布団から上半身を起こし、ゆっくりとお粥を口に運ぶ。
『……』
上気した頬に、匙を持つ指…、そして咀嚼する度に動く唇。そのどれもが艶めかしく見えてしまう私を、誰が責められよう!
たった数時間前、その指で私を撫でて、その唇で私を辱めたのだ。
『〜〜〜っ///』
「おい、大丈夫か?」
『…大丈夫、なはず』
「??」
『それよりも!サスケ君、インフルエンザらしいよ?さっきまで看護師さんがいてね』
私は、自分の中の邪な考えを振り払うため話を変えた。
ここまでナースがサスケを診に来てくれたこと。インフルエンザの件や、十四時ごろに彼がここに帰ってきた事などを伝えた。