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モノクローム【NARUTO】

第17章 ※熱と不在と、再会と頭突きと




「…そんな可愛い事されちゃ、行きたくなくなるじゃない」

『え、』

「だいじょーぶ!ちゃんと帰ってくるから」

カカシは、私の頭を軽く撫でる。

その行為にも、前のように焦って手を払いのけたりしないくらいには成長していた。

『私…待ってますから。お仕事、頑張って下さいね』

私は、名残惜しい気持ちを押し殺しながら、彼の裾から手を離す。

「うん。ありがとう…行ってきます』


カカシが出て行ってから、サスケが言った。

「カカシがあの荷物を持って行ったって事は、今回は裏の仕事だ」

『…裏?』

物騒な物言いに、つい身を硬くしてしまう。

「…あの中には、暗部服が入ってる。つまりはそういう事だ」

暗部。いつだったか、ミナトに聞いた事がある。

正規部隊と異なり、特殊な任務をこなす影の部隊だ。正式名称は暗殺戦術特殊部隊。ミナト直轄の組織で、選りすぐりの忍で構成されていると。

『そっか…やっぱり、はたけさんは凄いね。

本物の、エリート忍者なんだ…』

そんなカカシを凄いと、誇らしいと思う反面。

そんな特殊なところに身を置いて欲しくない。と思ってしまう自分がいた。

こんなちっぽけな私が、そんな事を思ったところで。何かが変わるわけはないと、分かった上でそう思う。

「大丈夫だ。エリには俺がいるだろ」

『…え?なにそれ、サスケ君??それじゃまるで、はたけさんがこのまま帰って来ないみたいな言い方だよ?』

「駄目か?俺だけでいいだろう。アンタには」

今日のサスケはどうしてしまったのだろうか。なんだかいつもと違うというか…

なんか凄く恥ずかしい事を口走っているような!

『きょ、今日の晩御飯は天ぷらにしよう?!はたけさんが居ないから、せっかくだから!ね!

ああ、ほらもう出発の時間だよ」

私は強引にサスケの背を押し、玄関へと向かわせた。

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