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モノクローム【NARUTO】

第16章 桜と猪と、講義と欲求不満と




『…食育とは、食に関する知識と、バランスの良い食を選択する力を身に付け、健全な食生活を実践できる力を育むことです。

食べることは生涯にわたって続く基本的な営みですから、子供はもちろん 大人になってからも食育は重要です。

私は、お二人にもそういった知識を身に付けて欲しいと考えます。

だから、私の講義を受けてみませんか?きっと楽しくて、新しくて、もっと綺麗な自分に出会えますよ?』


やられた。

いつのまにか、私の書いた記事など。もう誰の頭の中にも残ってなどいない。
誰もが彼女の講義を真面目に受けている。

この先生は、同棲しているのを肯定した上、周り全部を味方に付けて。自分の講義の世界に引き込んだ。

言葉選びと表現力…。私の才能と似た部分が大きい。
それに私にない物を持っている。それは、

圧倒的な人間力!カリスマ性だ。


それを証拠に、どうだ。今の受講者達は。

初めは野次馬ばかりで、講義など真面目に聞く気などなかった連中が。

いつの間にか、彼女の話に夢中で聞き入っているではないか。

悔しい。悔しいけれど。

素直にカッコ良いと思ってしまっている自分がここにいる。


「………」


そして、彼女の話は新しいのだ。
ソースはどこなのだろうか。このような内容の話は、情報通の自分も聞いた事がない。

あぁ、駄目だ。少し気を許せば、彼女の独特の世界観に引き込まれる。

私はもう、この人の記事が書きたいと思ってしまっている。

勿論今度はゴシップなどではなく、彼女が今まさに繰り広げている画期的な分野である、食育の面白さと。

なにより

彼女の魅力的な人間味について。

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