第16章 桜と猪と、講義と欲求不満と
『では、定刻になりましたので始めます』
ずらりと並んだ受講生六十名強。その中には、サスケ達の姿もある。
しかし、さすがの人数に正直少し圧倒されてしまう気持ちも大きい。
一番前には、あの新聞を書きばら撒いた張本人も陣取っている。
「ごめんなさい!遅れました…。まだ、間に合いますか、ね?」
本当にバツが悪そうに、教室の後ろドアから入ってきたのはイルカだった。
「イルカ先生!教師が遅刻してどうするんですかー」
「本当ですよ!生徒に示しがつきませんよ!」
イルカの姿を見て、サクラといのが茶化す。少し教室の雰囲気が穏やかな物となった。
『イルカ先生、大丈夫ですよ!ギリギリセーフです。どうぞ』
「ありがとうございます!すみません、ほんと」
すみませんなんて、とんでもない。
彼のおかげで私の気持ちがだいぶと落ち着いた。
本当に…なんだか私はいつも彼に助けてもらっている気がする。
『では、今日は初日ですので。軽く自己紹介から始めたいと思います。
私は中崎エリと申します。
担当は食育。皆さんあまり聞き慣れない言葉かと思いますので、まずはこの言葉の意味の説明から始めたいと思います』
「はい先生、質問ー」
この早い段階での質問の声。
嫌な予感がしないわけがなかったが、私は手を挙げる受講生と向き合った。
『…どうぞ?』
「先生は、カカシ先生と付き合ってるのに 生徒に手を出してるって。本当なんですかー?」