第15章 見聞と新聞と、建前と本音と
私は廊下に設置された出席箱の前に立つ。
そして、自分の名前が書かれた木箱を開ける。
中には数枚のカードが入っていた。これで、カードは全部で二十枚ほどになった。
いつもこの箱を開ける時は、カードが入っているかいないかドキドキと胸が高鳴ってしまう。
「何人くらい集まりそう?」
『!!は、はたけ先生…』びっくりした
気が付くと、隣にはカカシが立っていた。
私と同じように自分の講義のカードを回収に来た模様。
『二十人くらいですね。はたけ先生は凄い数ですね!何枚くらいあるんですか?』
「ま、だいたい七.八十くらいかな?いつもと変わらないよ」
『わー…大教室が埋まりますね』
受講生は、下忍か中忍。そして受講料はタダではない。それぞれの講義毎に 担当教官へ支払うのだ。
七.八十人も生徒がいるとなると…総額で…。
「まぁ…。ねぇ、そんな事よりさ、なんで俺の事はたけ先生って呼ぶの?みんなみたいにさ、カカシ先生って呼んでくれないの?」
『え?』
頭の中で暗算中に、ふと投げ掛けられた質問。
「ほら、試しに一回呼んでみてよ、別にいいでしょ?」
じりじりと距離を詰めてくるカカシ。
『い、いや、なんで…と言われても、
なんとなく、そちらの方が落ち着く、としか』
私が一歩後ずさればカカシは一歩詰め寄る。それを繰り返していたのだが、突如パタリと彼は足を止めた。
『…??』
「…はぁ。君は…また厄介なのに目を付けられてるね…」
カカシがくるりと後ろを振り向いた。