第14章 ピンクの矢印と、食育と先生と
「サスケ、着地の瞬間はもっと気を張れ。
あと簡単に空中に投げ出されるなよ。体が浮いてる時は無防備になりがちだから」
す、凄い。もうその言葉に尽きる。
そして同時に心臓に悪い…。
しかし…初めて見た二人の戦闘の姿は。
訓練であるのにも関わらず、魅力的で格好良い。
惹きつけられて、つい息をするのも忘れる。
『…ふぅ』
「…これくらいの組手で、そこまでの心配顔するかね普通」
隣で一緒に今の戦闘を見ていたシカマルが言う。
「まさか、こういう修行の場見るの初めてなわけねぇよな?
さっきは、カカシ先生が影分身しただけで異様なぐらい驚いてたし…」
彼の、何かを疑ぐるような目が。私をひどく不安にさせた。
万が一にも、たったそれだけで私が異世界人である事がバレる可能性はないだろうが。
彼の言葉には、人を追い詰める何かがある。
「なぁ、アンタって…どういう」
「シカマルくーーん?」
私を救ったのはカカシの一声だった。
「お喋りとは余裕だな…
次はお前の番だから、さっさとかかってこい。
特別にじーっくり、相手してやるよ?」にこー
「さ……最悪」
シカマルは これから始まる地獄を予想してか、顔面蒼白でゆっくり立ち上がった。
そしてワザと時間を使うようにして、ゆっくりとカカシの前まで歩いて出て行った。
そしてカカシの講義の時間は終了した。従って、私の見学会もこれにて終わりという事。
受講生たちは、パラパラ帰り始める。まだ幾人かはカカシの周りに集まっている。
おそらくは、さきほどの講義の内容確認か質問だろう。
それを邪魔しないよう、私とサスケ、シカマルの三人は歩き始める。