第14章 ピンクの矢印と、食育と先生と
ハラハラする。
なんて言葉じゃ片付けられないくらいドキドキした。
『……っ、』
カカシに飛びかかったサスケ。
私の目には、追う事すら難しいくらいのスピードにも関わらず。
カカシはいとも簡単に彼を地面へと叩き付ける。
しかしサスケの中では、それすらも計算だったとでも言わんばかりに、地面を蹴ってよりスピードを増し。再度カカシへ接近する。
そして、カカシの体へ向けて拳を当てようとパンチを繰り出す。
何発打った?三.四回?いや、多分もっとだ。私の目には写らないだけ。
カカシはサスケのパンチを、見切っているのだろう。手首を掴まれて空中へ放り投げられる。
サスケの体は紙切れみたいに空高く舞い上がる。
あんな高さから落ちたら危険だ。なんて考えが頭をよぎった瞬間。
サスケは空中で見事にくるりと体を回転させ体勢を立て直す。なおかつ落下中に印を結ぶ。
そしてすぐに、彼の口からは炎が吹き出した!
私は焦ってカカシの方へ視線を写す。すると、彼も既に印を結び終わっていて。両手の平を地面に付けると、一瞬のうちに分厚い土壁
が現れた。その壁がカカシを炎から見事に守った。
「チっ」
サスケは小さく舌打ちをすると、自分のポシェットから素早く忍具を取り出すと、三本まとめてカカシに投げる。
カカシはそれらを的確に、自らの苦無で下に弾き落とす。
そして着地せんとするサスケの元へ走った。
今度はカカシが攻める番だった。
着地した瞬間を狙っての足払い。これを避けるのは難しいだろう。彼の体が大きく揺れる。
これが勝敗を分ける事になった。
この後も少し打ち合いが続いたのだが、結局は今。サスケは地面に転がされていた。