第14章 ピンクの矢印と、食育と先生と
部外者の私が、見学させてもらっていて。こんな事を言える立場ではないのは重々分かってはいるのだ。
分かってはいるのだが…
『遅い…。ねぇ、遅くない?はたけさん』
私は小声で二人に話しかける。
「カカシが時間通りに来る事なんてまぁない」
「そういう事」ありがてぇ
一番後ろの、一番端っこの席を陣取る私達三人。
他の受講者達も、各々自習を始めたり。雑談を始める者も出て来ている。
その時だった。
ガラっと、ドアがスライドする音。
その音と共に教室が静まり返る。
「いやごめんねー。ここに来る途中、木の上で動けなくなってる子猫に会ってね…」
カカシは誰に向けて言うでもなく、ゆっくりと教卓へと歩みを進める。
「その言い訳…先月使ってたよな」たしか
と、シカマルが頬杖をつきながら言う。
「その子猫助けてたら、なんとこんな時間に…」
教卓に付き、初めてこちらを向いたカカシ。
「気付いた」
サスケの鋭い声。そしてカカシと私は、確実に目が合う。彼は見事に固まっている。
『……』
あまりに長時間カカシがこちらを凝視したままだったので、私は軽く会釈だけする。
「……参ったね…、どーも」
軽く口の中で、何か呟いてから。
彼は自分の仕事に取り掛かるのだった。
「じゃぁ…この間の続きから」
すると、すぐさま受講者達は教科書を開く。
当たり前だが私はそれは持っていない。
なんとなく所在なさげにしていると。
「…おい」
サスケが、自分の教科書をこちらに少し押しやってくれる。
これは…見せてくれる。という意味だろう。
『あ、ありがとう…』
私はその行為に甘えるべく、自分の椅子を動かしサスケの方へ距離を詰める。
「……………」
「お、おい…カカシ先生、すげェこっち睨んでる気するんだけどよ…」こわすぎ
「前回の続き…、
と思ったけど。やっぱやめた。
ちょっと、みんな外に集合」