第14章 ピンクの矢印と、食育と先生と
「その予定ですね…」
サスケが答えないので、仕方なくシカマルが代わりに答える。
「ちょうどよかった。じゃぁエリも一緒に連れてってあげて?
本当は俺が見学に案内したかったんだけど、タイムオーバーだ…」
残念そうに私を見るミナト。
「見学?おいちょっと待っ」
「じゃぁね。見学楽しんで!また夜会いに行くから。またね」
『あ、ミっ…、じゃない。火影様!ここまで ありがとうございました』
私が頭を下げると、彼はにこやかに手を振って ここから離れていった。
これで、廊下にいるのは私達三人になった。
「……じゃあ、カカシ先生の講義はこっちの」
シカマルの案内に従おうとした時。
突如髪がくん、と引かれた。
「アンタ、なんでここに来たんだ!
馬鹿みたいにあの男にホイホイ付いてくるな」
『うっ』
サスケが私の耳元で、少しだけ声を荒げた。
「な…なんだよお前。何キレてんの?とりあえず髪、はなしてやれよ」
「お前には関係ない」
「はいはいそうかよ。めんどくせー奴」
『えっと、急に来ちゃってごめんね?
でも、ほら。私サスケ君とはたけさんの事、まだまだ知らない事が多いから…
少しでも二人の事知りたかったんだ。
でも…サスケ君が嫌なら帰るよ?迷惑だった…よね。ごめん』
深く考えず、突然ここに来てしまった事を後悔した。
自分の好奇心を優先してしまった事を深く反省。
「別に…迷惑だなんて言ってないだろ。
はぁ…お前って…本当、しょうがねぇ奴」ふ
「!!……」
少しだけだが笑顔を見せてくれたサスケ。
そこまで本気で怒っていたわけではないのだと分かって、やっと安心出来た。
「でも本当に気をつけろよ。あいつはエリにややこしい事をしそうな気がする」
『??うん』
私とサスケが並んで前を歩き、その後をシカマルが付いて歩く。
そうして私達は目的の教室に向かうのだった。