第14章 ピンクの矢印と、食育と先生と
「ん!やっぱりカカシの講義は人気だよ。
里 屈指の実力者だから、少しでも近付きたいって忍は少なくないし」
勿論ミナトの話は聞いているつもりだが。
私は初めて入るアカデミーに、強く興味を惹かれていた。
あの二人が、任務外の時間はここで過ごしているのだ。なんだか新たな一面を垣間見たようで嬉しい。
「!、火影様」
「はいこんにちは」
カカシと同じ、緑のベストを着た男性が廊下で立ち止まり、ミナトに頭を下げる。
この光景をもう二十回は見た。
というか、すれ違った人が全員こうなる。
改めて 彼が里で一番の権力者であり、この国の象徴なのだと認識する。
「なに?今日はずいぶん大人しいね。もしかして緊張してる?」
『あ、いえ。改めて、ミナ…。火影様の偉大さを痛感しているだけですよ?』
「……嫌だなぁ。エリには、そんな風に呼ばれたくないんだけどな?
ね。ほら…いつもみたいに “ミナト” って、呼んでみて?」
誰が聞いているかも知れない廊下のど真ん中。
突然発せられた甘い声に、どうしたって身が固くなる。
「ミナト」
「あ」
『え』
この声は…
ミナトは私の後ろを見て素っ頓狂な声を上げた。
私は背後をすぐさま振り向く。するとそこには、二人の人物が立っていた。
「これで満足か」ふん
「おいサスケ…火影様に対してその口の聞き方と態度は、さすがにねーだろ」あと呼び捨ても
『サスケ君…と、あとたしか…シカマル君!』
サスケは、一瞬こちらに視線を向けただけだったが。シカマルは、面倒そうにではあるが、どーもと答えてくれる。
「君達か。この後カカシの講義に出席するの?」
ミナトは、サスケの口の聞き方に注意する事もなく。会話を始めた。