第14章 ピンクの矢印と、食育と先生と
——point of view 奈良シカマル
午後十五時。この時間のアカデミーは、もうほとんどの生徒が下校している。
今は下忍と中忍が、上忍の特殊教官に教えを乞う為に集まっている。
俺も例外ではない。
数年前の中忍試験に合格した俺だが、未だ上忍試験は受験していなかった。
このままでも特に困らなかったし、中忍であればそこまで危険な任務依頼が来る事もない。その方が俺にとっては都合が良かったのだ。
しかしそれを良く思わない両親に、アカデミーに通えと脅され…
いや、アドバイスされて今ここにいる。
なんとなくアカデミーに来て。
廊下で会ったサスケとなんとなく一緒に歩く。
するとそのサスケが、急に走り出した。
何事かと思い廊下の先に目をこらすと、
あの存在感。見間違うはずがない。
あれは四代目火影だ。
サスケは彼を目指して走っている。
あともう一人、そこにいた…。あれは確か…
カカシの家に軟禁されていたはずの女?
その後は…もう、ありえない事が 連続で起こった。
四代目火影が、廊下で堂々と女を口説き。
サスケが、自分から女に触れて。さらにあろうことか笑いかけ。
俺ほどではないが、面倒くさがりのカカシが わざわざ講義内容を変更して、格下と手合わせ…
あの女の為に。
あの女は、一体何者で。彼等にとって どういう存在なのだろうか。
とりあえず分かるのは一つ。
これは、誰が見ても明らか…
ピンクの矢印飛び交う相関図。
ってやつだろう。
これってあれだ。超めんどくせェ!
俺は絶対に、あの恐怖の図の中には飛び込まない。
絶対に。絶対に、だ。
まぁ…
せいぜい出来ても、側から見守るくらいだ。
と、心に誓う俺だった。