第13章 初任給と偶然と、パンツと学校と
『…ぅ、重い…』
二人と別れてから、私は例のブツを無事 手に入れる事が出来た。
しかし、これが予想外に重い!
車もなければ自転車もない。その事を計算に入れていなかったのだった。
でもギリギリ一人で持って帰れない重さではない。頑張ればなんとか…
「あ、っ、中崎さん!」
『?』
後ろから、私を呼ぶ声が聞こえて振り向いてみると。そこには彼の姿があった。
『イルカ先生!』
「こ、こんばんは!
お元気、そうですね///」
沈みかけた夕日に照らされているせいだろう。彼の顔は少し朱色に染められていた。
『こんばんは。イルカ先生も、変わり無くお過ごしですか?』
「俺はもう!元気ですよ!あはは」
実はイルカとは、少し申し訳ない別れ方をしていたので。気にはなっていたのだ。
私がカカシとサスケに過去を打ち明けるにあたって、せっかく家に招いていた彼を強引に帰してしまっていたから。
「それ、なんですか?重そうですね」
『あ、これ…実はさっき買ったところなんです』
「…あの…よかったら俺が運びましょうか」
『え、いいんですか?!』
私一人で運んでいては、膨大な時間がかかるだろうと覚悟していただけに。大変ありがたい申し出だった。
『本当に助かります』
「いえ、これくらい全然ですよ!」
『力持ちなんですね!』
「……///と、ところで!」
イルカは、自分が進む方向を真っ直ぐに見て私に言った。
「やっぱり…中崎さんは、」
『エリ。でいいですよ?私もイルカ先生と呼んでしまっているので』
「で、ではお言葉に甘えて。
エリさんは…やっぱり、カカシ先生の家に住んでいるんですか?」