第13章 初任給と偶然と、パンツと学校と
『…そう、ですね』
「やっぱり…そうなんですね…」
嘘をついても仕方がないと思い、正直に答えはしたが。
やはりこの時代でも、婚姻関係でない男女が一つ屋根の下というのは…世間体がよろしくないのであろうか。
「と…いうことは…その…
カカシ先生と、お付き、合いを??」
『え?いや、していません』
「じゃぁサスケですか!?」
『違います』
イルカは完全に私達の事を誤解しているようだった。
しかし今ここで彼に、
私は異世界人です。カカシとサスケに助けられたのでそのまま居候を決め込んでおります。
と説明したらどうなるのだろうか…
完全に頭がおかしい人と思われてしまうだろう。
『…えっと、言葉では説明が難しいのですが…
ひょんな事から私、住む家を失いまして。そんな私に、声をかけてくれたのが はたけさんでした。
それに、はたけさんとサスケ君と一緒にいると楽しくて。二人の好意に甘えている状態なんです。
二人は仕事で忙しいみたいですし、それならば…と 住み込みで家事手伝いをさせてもらってます』
「住み込みで家事…
なるほど。カカシ先生くらい稼いでいたら、たしかに家政婦さんが家にいてもおかしくないですよね…」
『そ、そうですよ』
イルカはみるみる顔色が明るくなる。
「じゃぁ、あの二人のどちらかとお付き合いされてる…
ってわけじゃないんですね!」
『そうですよ?』
「…しっ!!」ガッツ!
『??』
この人のくるくる回る表情を見ていたら癒されるなぁ…。