第12章 愛の鞭と、レモンと母と
私には、ある考えがあった。
しかし、その案が上手くいく可能性はそこまで高くないと思う。
でも。思いついてしまったからには試してみたい。
「もー本当に君は、どうしてそう他人の事に 首を突っ込みたがるかな…」
「性分だろ」
「やっぱそうかぁ…」
サスケはいつの間にか食事を再開していた。
そしてカカシは当たり前のように もうご馳走様を済ませていた。
「…自分が幸せになる為に、生きて欲しいのに」
カカシが遠い目をして言った。
『勿論、そのつもりですよ』
「だったら、他人の事に必死にならないで 自分の事考えてよ」
私は、自分の中で考えをまとめる。
この今の私の気持ちを、どう話したらこの人に 分かってもらえるか。懸命に考える。
しかし…上手く説明出来る自信が毛ほどもない。
ならばもう、私が思っている事をありのまま伝える方が手っ取り早い。
『はたけさん、サスケ君。
私が前に言った、
この命は二人の為に使いたいという言葉。
あれ、撤回するつもりはありません。
かといって、自分の人生を 蔑ろにする事はしないと誓います。
さらに言えば…
出来る事なら、私を救ってくれたこの世界に恩返しがしたい。
ですから私の人生は、
私自身と、はたけさんとサスケ君。後は、
この世界で出会った、私が救いたいと思った人の為に使います!』
私のちっぽけな人生。
たとえ命をかけたって、この里の人全員を救う事など叶わないのは分かってる。
ならばせめて…